ミドル層（４０代～５０代）の転職のコツ

ここ数年、大企業だけでなく中小企業でも早期退職制度を利用したリストラが進められています。
特にコロナ禍以降は、その流れが加速し、人件費が高いミドル層（４０代～５０代）が主なターゲットとなっています。人口構成的にもこのミドル層は「団塊Jr」世代とかぶっており、人口ピラミッドの大きな山の一つとなっております。

（図１　総務省統計局資料より引用）

このミドル層の転職活動における問題点として、
・少ないポストを多くの人数で争ってきたため、マネジメント経験がない人が比較的多い
・子供に最も費用がかかる年代であるため、希望する給与が高い
・入社時に上司より年齢が高くなるケースも多く、採用が躊躇される
・リストラなどにより、転職市場に人数が多く過当競争となっている
などが挙げられます。

中には、学校を卒業して以来、ずっと非正規雇用（派遣・契約社員）であった方もおられ「しくじり世代」ともいわれるほど、様々な面で苦労が多いと言われる世代です。

現在、当社のような職業紹介会社に、こうした世代から多くの転職相談がございますが、転職がスムーズに決まる人とそうでない人がおられます。その違いを分類していく中で、ある傾向性がくっきりと浮かび上がって参りましたので、現在転職をお考えのシニア層の方のご参考になればと存じます。

シニア層の転職活動について

1.需要のある地域へ行くこと

当社でいただく求人でも、草津市、大津市、京都市内など、人口密集地の求人は、応募者も多く、人材会社からのアプローチも多数あるため、必然的に応募者競争も激しく、採用倍率が高いため、就職できる確率は低くなります。

しかしながら、滋賀県の長浜市や甲賀市など、人が少ないでは、多くの企業が求人を出していますが、応募者よりも求人の数が多く、若年層だけでなくシニア層の応募も歓迎されます。また労働条件的にも、都市部の求人と比べ遜色ないケースが多数あります。

多くの転職希望者は、人口密集地域の方が「都会である→仕事が多い」からと、アプローチしがちですが、その逆を行き、田舎の優良企業に目を向け、単身赴任や長時間通勤も視野に入れて転職活動されると、条件の良い企業にすんなり決まる傾向にあると思われます。

2.「マネジメント経験」という言葉の受け取り方

やはり、４０歳以上をターゲットとした求人では多くの場合、マネジメント経験は必須となりますが、「マネジメント経験」という言葉の持つ意味がかなり広く、求人を出す側と応募する側で、イメージの相違があるケースが多くみられます。通常は「部署の数字を設定管理し、その目標に向かってチームを率いていく」というイメージを持っておられる人が多く、役職的には「課長」「マネージャー」以上が相当するというのが一般的です。

そのため、課長になれなかった人が、自分は係長だったから...と、そもそもエントリーをあきらめられるケースがあります。
確かに役職だけで判断される場合もありますが、大切なのは実績。しっかりと部署の目標設定、目標管理、チームマネジメント、リーダーシップを発揮できていたかです。

意外と自分の仕事を振り返った時に、「課長」以上ではなくても、大きなプロジェクトを任されていたケースも多く、過去の実績をしっかり職務経歴書に記述し、また自分自身を振り返り、胸を張って面接の場で「できる」と言ってみて下さい。その自信が道を拓くことがあります。